インド伝統のハタ・ヨーガと近代の欧米ヨガとの違い! [ 健康スタジオ横浜 ]
● インド伝統のハタ・ヨーガと近代の欧米ヨガとの違い![ 健康スタジオ横浜 ]
健康スタジオ横浜では、プラーナ・ヨーガといい、インドの伝統的なハタ・ヨーガを主体に、マインドフルネスなども取り入れながら独自のヨーガレッスンを行っています。
日本の大多数のヨガスタジオや教室のヨガは、ポーズが主体であり、インド伝統の本来のハタ・ヨーガとは違います。
なぜ、インドの伝統のハタ・ヨーガが引き継がれていないのでしょうか?
その理由はありますが、多くは知られていません。
まず、私の若いころの話から始めさせていただきます。
私は20代の頃は空手とウェイトトレーニングを中心とした日々を送っていました。
20代後半に腰を痛めた影響で、強い負荷がかかる運動が出来なくなりましたので、以前から興味があった矢山式気功を始めることにしました。
矢山式気功は中国の伝統的な気功の枠を超え、武術、医術、仙道、ヨーガ、密教などから教義の部分を除き、エネルギー(気)の要素を取り入れ、人間の眠っている能力を高めることを目的にした非常に興味深い気功法です。
そのような気功法を学びながら、日本のヨガスクールでティーチャーの資格を得るセミナーを受講いたしました。
セミナーのカリキュラムの中には、プラーナやチャクラの講義もありました。
しかしながら、ほんの僅か説明があるものの、実際に実技の練習をすることもなく、ごっそりと抜け落ちていることに大きな疑問を持ちました。
その後に疑問を解消すべく、歴史的な経緯などを調べてみましたが、インド伝統のヨーガと現在欧米を中心に流行っているヨガ、日本の殆どのヨガには大きな違いがあることがわかりました。
欧米や日本のスタジオ・教室で行われているハタヨガには次のような特徴があります。
・ポーズが主体である
・解剖学を修得する
・「ヨーガ・スートラ」を経典としている
これに対して、インドの伝統を引き継ぐハタ・ヨーガには次のような特徴があります。
・プラーナヤーマ(プラーナのコントロール法)が主体である
・マルマ(ツボ)とチャクラ、脈管(背骨を主体としたプラーナの通り道)の身体を修める
・「ハタヨーガプラディーピカー」「シヴァサンヒター」「ゲーランダサンヒター」を経典としている。
今日世界的に流行しているポーズ中心の英語圏のハタヨガは、インド伝統のハタ・ヨーガの直系ではないことがわかっています。
どうしてこのような流れになってしまったのでしょうか?
今から130年ほど前のインドにさかのぼります。
その頃のインドは英国の植民地でした。
19世紀後半は、世界の運動体育やインドの身体文化においても大きな転換の時期でした。
1893年、インドのヴィヴェーカナンダが、シカゴの国際宗教会議でヨーガをテーマにして講演をし大成功をおさめています。
その3年後に『ラージャ・ヨーガ』を発表し、ヴェーダーンタの御旗のもと、『ヨーガ・スートラ』と『ヴァガヴァットギーター』を聖典とし、タントラ的なもの、ハタ的なもの(ポーズ)を極力排除して、白人社会に広めることを視野に入れた新しいヨガを発表しています。
19世紀後半のインドはイギリスの植民地であったため、その影響で近代の解剖学や生理学にもとづいたスウェーデン体操が広く行われるようになりました。
そして、ボディビルの開祖ともいわれるユージンサンドウの影響でボディビルが大流行になります。
ヴィヴェーカナンダの『ラージャ・ヨーガ』が世に出た1896年は、第1回近代オリンピックがアテネで開催された年であり、インド人の身体に対する思い入れもピークに達します。
20世紀に入ると、インドで反英感情が高まり、インド自前の身体鍛錬法を生み出すことに目が向きはじめます。
ヴィヴェーカナンダによって排除されたハタヨガ(ポーズ)が見直され、今までイギリスによって禁止されていたカラリパヤットというインド武術が密かに行われるようになりました。
しかし表立って行うことも出来ずに、武術の型をヨガの連続ポーズと称して行われるようになります。
様々な経緯があり、スウェーデン体操をはじめとする体操、ボディビル、インドの民族的な武術やダンス、ヨガが再編され近代のハタヨガへとつながっていきます。
ハタ・ヨーガの伝統的な「84のアーサナ」に含まれていないポーズの殆どは、20世紀に入ってから開発されたものです。
伝統のアーサナには、本来連続のポーズ(シーケンス)はありません。
ダイナミックな立位のポーズである、ヴィーラバトラ・アーサナ(戦士のポーズ)は武術の型をアレンジしたものです。
ヨガをしている多くの方がご存知のスーリヤ・ナマスカーラ(太陽礼拝のポーズ)は、インド伝統的なクシティーと呼ばれるレスリングの道場で行われていた準備体操でした。
西洋文明が入り、本来のハタ・ヨーガとは切り離されたところから、再スタートしたインドのヨガなので、タントラの身体観(プラーナによるエネルギー観)は馴染みませでした。
西洋の解剖学や体操、ボディビルの方法論が取り入れられ融合したものが、近代ヨガとして現代に伝わっています。
ハタ・ヨーガの経典ではない『ヨーガスートラ』を戴いて権威付けしているところも不思議な?特徴のひとつともいえます。
すでに100年の歴史がある近代西洋のハタヨガですが、このヨガが世界に出ていかなければ、日本でもヨガに接することは、もしかしたらなかったかもしれません。
もっと詳しくお知りになりたい方は次の書籍を読まれることをおすすめいたします。
・『ヨガ・ボディ ポーズ練習の起源』(シングルトン著・大隅書店刊)
・『図説シヴァ・サンヒター』(伊藤武・出帆新社)
私は個人的には、空手、ウェイトトレーニングを徹底的に行っていましたので、フィットネスの大切さは十分すぎるほど理解をしています。
身体が強くなれば、キャパシティも大きくなりますから、心にも余裕が生まれます。
身体と心の健康な状態を得るためにもフィジカルフィットネスは必要です。
私はフィットネスの後に気功、仙道といったエネルギー的なことを長く学んでまいりましたので、インドの伝統を引き継ぐ本来のハタ・ヨーガに興味がありますし親近感があります。
チベット仏教にも「脈管と風のヨーガ(ツァ・ルン)」があります。
インド国内でも、伝統的なハタ・ヨーガは殆ど残っていないと言われ、チベットのほうに伝わっているのが非常に興味深い話です。
健康スタジオ横浜では、欧米や日本で流行っている近代西洋ヨガではなく、身体にいのちの風(プラーナ・エネルギー)を流す本来のハタ・ヨーガを行うようにし、プラーナヨーガと呼んでいます。
身体のなか全体を生命(いのち)の風「プラーナ」が流れています。
ハタ・ヨーガの基本アーサナにプラーナトレーニング(気の練習)と気マインドフルネスを組み入れたヨーガです。
「身体」「呼吸」「意識」「脳」「感覚力」を繋げ、「プラーナ(気)」を流すことで、身体と脳のバランスを高め、身体エネルギーの量を増やし質も高めます。
脳の左右バランスが整いますので自律神経も整います。
ハタ・ヨーガの身体観を取り入れたマインドフルネスにより、身体を使った瞑想になり、意識が「今・この瞬間」にあることで無意識の思考に気づくことができるようになります。
さらに、栄養補給、休息、環境の整え方などを通しながらベストコンディションをつくります。
フィジカルフィットネスのヨガではなくプラーナヨーガにご興味がありましたら是非一度ご体験に訪れることをおすすめいたします。
とても愉しめて脳が喜ぶヨーガです。
プラーナヨーガのご体験につきましてはこちらよりお申込みください。