「”皮膚は”0番目の脳」 皮膚が持っている凄い能力! [ 健康スタジオ横浜 ]
●「”皮膚は”0番目の脳」 皮膚が持っている凄い能力! [ 健康スタジオ横浜 ]
健康スタジオ横浜の内藤です。
本日もご訪問くださりありがとうございます。
先日、BSプレミアムで「ヒューマニエンス」という番組を観ました。
毎週木曜日に放送されていますので、ご覧になった方もいるかもしれません。
「ヒューマニエンス」とは、「ヒューマン」と「サイエンス」の造語です。
人間という不確かで不思議な存在とはいったい何なのか?その真の姿に迫っていくシリーズですでに何回か放送されています。
とても興味深い内容だったので、ご紹介かたがた少しだけシェアをさせていただきたいと思います。
「”皮膚”0番目の脳」というタイトルでした。
「皮膚」には、目でなくても“光”を捉え、耳でなくても“音”を聞き、舌でなくても“味”を知るという感覚が備わっていることがわかってきたそうです。
その皮膚の能力は生命進化において、脳が生まれる前から存在していたため「0番目の脳」とも呼ばれます。
皮膚は自分の内と外を区別するために不可欠な存在です。
そのため、もし皮膚感覚を失うと「私」を認知できなくなり、自己を喪失してしまうといいます。
ホリデースペシャル、サンデースペシャルセミナーでは、2月、3月に「唯識」の勉強会をカリキュラムに組み入れました。
自我意識の捉え方で、ちょうど皮膚感覚を少なくする、無くするといった内容で行いましたので、その後に「ヒューマニエンス」の放送を見て、皮膚と脳の関係について考えを深めることができました。
私たちは普段、皮膚をとおして感覚を認識しています。
私たちの頭からつま先まで体を覆っている皮膚ですが、成人でたたみ約一畳分、重さが約3kgほどあると言われています。
この皮膚は身体を覆う単なる皮ではありません。
皮膚の別名は「体表の脳」と呼ばれており、皮膚は最大の臓器であり、皮膚には知恵があり、皮膚には知能があるそうです。
番組では『驚きの皮膚』の著者である傳田光洋さんが出演されており、脳は気づいていないけれど、皮膚は感じているといった凄い能力を持っているお話もされていました。
この皮膚には、光、音、味、匂いを感じるセンサーが備わっており、お線香の白檀の香りを皮膚が感じると、傷の治りが早くなるようです。
皮膚には視覚、聴覚があり、あるいは記憶し、予知する力まである「超能力の皮膚」です。
愛情ホルモン、幸せホルモンと言われているオキシトシンは、脳から分泌されますが、最近は皮膚からも出ることが分かっています。
また、皮膚をさすったり、乾布摩擦をすると一酸化窒素(NO)が出ることも分かっています。
教室で身体を動かした後に横になってリラックスをします。
ヨーガではシャバアーサナといいますが、シャバアーサナで横になってリラックスするとると、床に心地よく触れた皮膚からオキシトシンが出て幸せを感じます。
また皮膚から一酸化窒素が出て血管が広がり、血行がよくなり、体がポカポカと温かくなります。
リラックスすると、ポカポカして気持ちがいいと感じるのは、このようにしっかりとした理由があったからです。
出来たらあまり厚手のものを着るのではなく、薄着のほうが良いと言われています。
このようなことから皮膚は、「0番目の脳」と言われています。
ちなみに1番目の脳は頭にあり、2番目の脳は腸にあります。
もし、全身を包んでいる皮膚という臓器に感覚がなくなったら、私たちは自分の存在が消えてしまいます。
これは、皮膚感覚を遮断するさまざまな実験で確かめられています。
アイソレーション・タンクといい、光や音が遮られた空間で、皮膚の温度に保たれた高濃度のエプソムソルトの塩水に浮かぶことで、皮膚感覚や重力の感覚を遮断する装置があります。
アイソレーションタンクに入ると、五感の中でも大きな要因を占めている、光と音が完全にシャットアウトすされるので、全身の皮膚の感覚がなくなり、自我意識が消えていくという体験が出来ます。
この体験をすることで、自分の存在が認識できるのは、皮膚に包まれているからだと教えてくれています。
深い瞑想状態になると同じように皮膚感覚が消失してきますが、禅の修行では、皮膚脱落、心身脱落、透体脱落などと言われています。
ヨーガの世界でも、アーサナ(坐法)、プラーナヤーマ(調気法)、プラティーヤーハーラ(制感)を通して、肉体感覚の消失(身の脱落)と心の作用の止滅(心の脱落)をすることでサマーディー(三昧)を目指します。
人間は大きな脳を持ち、そのために複雑な道具や言語を使い、社会組織をつくり出してきました。
その原点には皮膚感覚の存在が大きな役割を果たしてきました。
認知科学という、五感が脳や心に及ぼす作用を研究する分野があります。
その対象の多くは視覚と聴覚であり、これらは文字やインターネットに代表されるメディアで容易に説明ができます。
一方で言語にするのが困難であり、かつ最新の通信技術によっても他人に伝えることが難しい触覚についての研究は、まだまだこれからの分野といえます。
気・プラーナを感じる能力も、皮膚感覚によってエネルギーを感じるところからスタートします。
まだまだわからないことがある「”0番目”の脳」を開発してまいりましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。