大谷翔平選手と中村天風哲学! [ 健康スタジオ横浜 ]
●大谷翔平選手と中村天風哲学!
健康スタジオ横浜の内藤です。
本日もご訪問くださりありがとうございます。
WBCが終わって1か月になりますが、まだ世界一になった余韻が残っていますね。
WBCで活躍された選手は、日本、メジャーリーグでも注目の的になっています。
特に大谷翔平選手は、今や世界的なスーパースターで、日本人のみならず米国人までも一挙手一投足に興味津々のようです。
横浜に毎月来ていただいている方と先日お話をしていましたら、WBCで大活躍しました大谷翔平選手のことが話題にのぼりました。
その中でも、大谷翔平選手が中村天風先生の著書を愛読しているということで話が盛り上がりました。
中村天風という人をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、ご紹介しておきます。
中村天風(三郎)は明治9年東京生まれ。
子供の頃は手に負えないほどの暴れん坊で、25歳のときに、陸軍大学秘密教室に入学し軍事探偵、スパイの訓練を受けます。
日露戦争では満州の各地で活動し、弾丸が飛び交う中も何のその、103名いた軍事探偵で無事に帰国できたのはわずか7名で、中村天風はその中の一人でした。
その後肺結核にかかり(今のガンと同じく不治の病でした)、戦争中は弾丸の中でも死を恐れないほどの胆力を持ち合わせていたのが、結核にかかったとたんに死の恐怖に怯え、様々な治療法を求め、国内のみならず海外にも行きましたが、病状は悪くなる一方で、最後に日本の地で死のうと帰国の準備をエジプトでしていたところ、ヨーガの大聖人カリアッパ師と出会うことになります。
カリアッパ師から「お前はまだ死ぬ人間ではない。そして一番大事なことに気づいていない。それさえわかれば死なずに済むが一緒についてくるか」と言われ、二つ返事でネパールのヒマラヤの麓まで行くことになります。
ヒマラヤ第三の高峰カンチェンジュンガの麓、ゴルケ村に入り、カリアッパ師からヨガ哲学の行の指導を受けることになります。
ヒマラヤでの修行では、生活のひとつひとつから教え込まれるのですが、なかでも心の在り方を徹底して仕込まれます。
例えばこんなやりとりが残っています。
カリアッパ師:
「今日はいい天気になったな。」
天風:
「はあ、でも頭が重くてたまりません。」
カリアッパ師:
「私は身体のことなど訊いていない。お前の身体が良くないことは百も承知だ。お前の気分を訊いているのだ。お目に気分をきくと、お前は必ず頭が痛いとか、胸が苦しいというような返事ばかりをする。こんなに気持ちのいい朝なのだ。本当に気持ちがいいですねくらいのことは言ったらどうかね。」
「こちらを見れば美しい花壇があるのに、お前は墓場ばかりを見て、この世はすべて寂しい墓場ばかりだと思っている。お前は気づいていないだろうが、お前の心の中にお前を悲観的にさせているもう一人のお前がいるのだ。」
「とにかく明日からは、どんなに体調が悪くても。そのようなことを口にしてはいけない。気分がいいとか、元気ですとか、人が聞いて爽やかになるような言葉だけを使いなさい。言葉というのは神聖なものだ。自分の命を汚すような言葉は断じて使ってはいけない。」
と厳しく言い渡しました。
言葉を変えて、思考法を変え、行動を変える。
そうすることで体調が良くなっていく。まず出発点は言葉だ。
以上ようなエピソードが山ほどあります。
約2年半に及ぶヒマラヤでの修行により、「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在だ」という真理を悟ることで、結核の病を克服しました。
カリアッパ師から帰国を許され、実業界で活躍しますが、大正8年、病や煩悶や貧乏などに悩まされている人々を救おうと、自らの体験から“人間の命”の本来の在り方を研究した、身心統一法を創見し講演活動を始めます。
この教えに感銘を受けた政財界など各界の有力者の支持を受け「天風会」を設立します。
その後50年にわたり教えを説き、東郷平八郎、原敬、北村西望、松下幸之助、宇野千代、双葉山、稲盛和夫、広岡達朗など、その影響を受けた人々は多数で、自らの人生、事業経営に天風哲学を活かしています。
昭和43(1968)年、92歳で生涯を閉じます。
大谷翔平選手のような若い年代で中村天風先生を知っていること自体が驚きで、どのようにして本と出合ったのでしょうか? ご両親の影響なのか?部活の先生の紹介かもしれません。
実は私も30数年前に中村天風先生の著書と出会い、1冊1万円以上する著書を大枚をはたいて3冊購入し何回も読み漁りました。
その当時は、今ほど中村天風先生の著書も出ておらず、日本経営合理化協会から出版されていたいちばんメジャーな本を買い求めたわけです。
大谷翔平選手が愛読している本は、その後に出版された本で、今では文庫本として出版されています。
天風哲学の内容は心の絶対積極を掲げています。
中村天風先生の「日常心得集」より一部を抜粋してご紹介させていただきます。
【中村天風哲学 日常の心がけ】
1.言葉づかい
「困った」「弱った」「情けない」「悲しい」「腹が立つ」「助けてくれ」「どうにもならない」・・・など、消極的な言葉は絶対口にしない。
2.感謝一念
不平不満を言わず、「正直、親切、愉快」を生活モットーとする。
3.三つの禁止
「今日1日、怒らず、恐れず、悲しまず」の実行。
4.内省検討
心が積極的か、消極的か常に客観的に検討し、少しでも消極的なものは追い出す。
5.暗示の分析
他からの暗示事項を常に分析し、積極的なものは取り入れ、消極的なものは追い出す。
6.交人態度
明るく朗らかに、生き生きとして勇ましい態度で何人にも接する。
※ 特に不健康、悲運の人に対しては、鼓舞、奨励以外の言葉は口にしない。
7.取越苦労厳禁
「さしあたる、その事のみを思え、過去は及ばず、未来は知られず」
8.正義の実行
本心良心にもとった言動はしない。
天風会は現在でも東京メトロ護国寺駅に直結した天風会館で活動をしています。
書籍、音声CDなどが販売されている他、セミナーなどの活動も行っているようです。
ご興味があればネットで検索できます。
最後までお読みいただきありがとうございます。