ガラス越しの日光浴でビタミンDは作り出されるのでしょうか? [ 健康スタジオ横浜 ]

ガラス越しの日光浴でビタミンDは作り出されるのでしょうか?

健康スタジオ横浜の内藤です。

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必須栄養素のビタミンDは人間の健康にとって重要な栄養素であり、日光を浴びることで生合成することが可能な栄養素としても知られています。

生活リズムやスタイルの関係でなかなか日光を浴びることができない人もいるはずですが、「ガラス越しの日光でもビタミンDを作り出せるのか?」という疑問にニューヨーク・タイムズで健康関連のライターを務めるRoni Caryn Rabin氏が回答しています。

ビタミンDは血中カルシウム濃度を高める働きを持っているほか、免疫反応への関与も示唆されている栄養素です。

ビタミンDの欠乏はくる病を引き起こすとされているほか、妊娠中のビタミンD不足が子どもの自閉症と関連しているという研究結果があるほか、子どもの肥満に関連しているともいわれています。

そんなビタミンDは経口摂取も可能ですが、肌が日光に含まれる紫外線にさらされることでも合成されます。

日光に含まれる近紫外線は、波長の長さによってUVA(400~315ナノメートル)、UVB(315~280ナノメートル)、UVC(280ナノメートル未満)の3種類があり、この3種類の紫外線は人間の健康や環境に対する影響の観点から分けられています。

太陽光の中でオゾン層を通過して地表に到達するのはUVAとUVBの2種類であり、UVCは物質による吸収が著しいため通常は大気を通過しません。

UVAとUVBは人間の体に対し、それぞれ違った作用をもたらします。


UVAは皮膚の真皮層にまで作用してタンパク質を変性させ、皮膚の弾性を失わせて老化を促進する作用を持つちます。

一方でUVBは皮膚の表皮層に作用し、色素細胞がUVBに反応してメラニンを作り出して日焼けを生み出します。

ビタミンDを合成するのはUVBであり、UVAはビタミンD生成に寄与していないそうです。

1日のうちに10分ほど日光を浴びることはビタミンD生成にとってちょうどいい日光浴の量になります。

しかし、残念ながらガラス越しの日光を浴びてもビタミンDは合成されないとRabin氏は述べています。

自動車や建物に採用されている一般的なガラスはUVBをブロックしてしまうため、ガラス越しに日光を浴びても受け取る紫外線はUVAばかりであり、これは人体にとって有害です。

ボストン大学医学部のMichael Holick教授は、「それが冬であるか夏であるかに関わらず、窓ガラスの前に座っていても人間の体はビタミンDを生成できません」と話しました。

 

日光浴によってビタミンDを得られない場合、食事からビタミンDを補う必要があります。

古くはサメなどの肝油に含まれるビタミンDが良質の栄養源となっており、ほかにもメカジキやサケ、オレンジジュース、ヨーグルト、オイルサーディン、卵黄、ビタミンD強化牛乳またはシリアルなどにビタミンDが含まれているとRabin氏は述べました。

ビタミンDのサプリメントを摂取することも有効です。

 

必要以上に紫外線予防をされている方は免疫が落ちますし、若い女性にいたっては、早い年齢で骨粗しょう症の発症が危惧されています。

これからの季節は、外に出ても寒くはないので、散歩をするだけでもビタミンDの摂取になります。