心・マインドは思考のつくった物語を生きている!

心・マインドは思考のつくった物語を生きている!

身体は宇宙を生きている!

身体の細胞の一つ一つは、あらゆる状況に対して、価値判断を下さずに、淡々と完璧に動いています。

そして実体がありリアリティーのある存在です。

 

もう一方の生きていく道具である心・マインドは違います。

心・マインドを見ることが出来ませんし、頭の中にしか存在することができないので実体がありません。

実体がないのですが、どうしてもあるように思い込みたいのが自我・私(エゴ)といわれている存在です。

今回は、あると思い込んでいながら、実は何にもない世界について、お話を続けてまいります。

難しい内容でピンとこないかもしれませんが、何度も何度も読み返してみてください。

 

心、マインドは、五感と呼んでいる、視覚(見る)、聴覚(聞く)、感覚(体感覚)、味覚(味)、嗅覚(匂い・香り)によって様々な情報を脳にインプットし、さらに言葉に変換をして解釈をして意味づけした、脳がつくった世界で見ています。

目で見ているわけではありませんし、耳で聞いているわけではありませんし、肌で感じているわけではありません。味覚も嗅覚も脳で味わったり、嗅いだりしています。

 

そのなかでも視覚がいちばん大きな影響を与えているのですが、脳で見ている世界に、「私」という登場人物を作り上げます

これが自我(エゴ)といった存在です。

幼少期に言葉を覚えて、人称代名詞である、「僕」「私」といった言葉を覚えると、見たこと、聞いたこと、感じたことなどにすべて「私」を貼り付けます。

「私が見た」「私が聞いた」「私が感じた」

私、私、私、私、私

出来事と私を同化させ、強力な自我(エゴ)システムを構築していきます。

 

心・マインドと自我(エゴ)、この2つが結びついて強力なタッグを組みます。

実は自我・私(エゴ)という感覚は、最新の脳科学ではどこにも存在していないことがわかっています。

『私はどこにあるのか』マイケル・S・ガザニガ 著

興味のある方はお読みになってください。

このように実体のないものをあると思い込む、これを「幻想」といいます。

 

心とは、五感の情報を脳にインプットし、言葉により解釈し意味づけされた頭の中の世界をいいます

 

私たちが生きている世界は2つです。

 

・「今ここ」のリアリティーで生きているのか、
・「今ここ」以外の頭の中の「思い」の世界で生きているのか。

 

まず、思い違いをしやすい「事実」と「現実」の違いについてお話をしてまいりましょう。

「事実」と「現実」は違います。

 

■事実
あるがまま

■現実
物語、ストーリー

 

事実は一つしかありません。

現実は一人一人が解釈をし意味づけした現実があります。

 

例えば、目の前に赤く丸い物があったとしましょう。

便宜上「赤く」「丸い」「物」といった言葉をあえて使います。

事実・あるがままは、見えているそのままが在るだけです。

言葉の変換が入っていない状態、これが「事実」です。

「今ここ」であり「あるがまま」です。

 

ここに、赤い、丸い、物、大きさ、美味しそう、リンゴ等々の言葉が入ると、これを見た人の解釈、価値判断が入り込むことになります。

この言葉による、解釈、価値判断によって、それぞれ見た人の記憶と結びつき物語が生まれます。

これがその人なりの「現実」です。

「赤く丸い物」で例えましたが、世の中の見えるもの、聞こえるもの、感じるもの、すべてに同じようなことが起こっています。

ほとんどの人が「今ここ」以外の思いの世界の物語、ストーリーで生きています。

そして、お互いに持ち運んだストーリー「共同幻想」を確認しながら、なんとなく理解していると錯覚しながら暮らしているのが世の中です。

 

「今ここ」は、ず~っと動いています。

瞬間、瞬間、現れては消え、現れては消え、を繰り返しています。

あるいは「今ここ」を瞬間瞬間、上書きして更新しているようなものです。

常に動いているので言葉による解釈や価値判断が入り込む余地はまったくありません。

ただし自我(エゴ)は、動いているこの世界を無理やり掴んで止めて、そこに言葉による解釈や価値判断を入れて意味づけます。

人、物、さまざまな出来事にです。

これを普段私たちは、あらゆる場面において行っています。

 

自我(エゴ)は「今ここ」には存在できません。

だから動いている「今ここ」を無理やり掴んで止めるわけです。

存在出来るのは、「過去」と「未来」です。

頭の中の世界だけです。

 

自我(エゴ)が存在するためには「今ここ」から離れる必要があります。

「今では駄目だ」「これでは駄目だ」

とにかく問題をつくりだして、過去や未来に引っ張り込み、問題解決のために取り組みます。

問題解決のために、もっと努力を、もっと成長を、もっと向上心を持って生きなければならない・・・・。

今にOKを出せないのは・・・・?

深層心理(過去の記憶の解釈)には、自己否定や憎しみがあります。

 

自我(エゴ)の特徴は、「恐れ」と「特別性」により、生きている実感を味わいたい、そのような傾向があります。

 

とにかく問題をつくり出し、その問題に取り組むのですが、その原因や責任を自我(エゴ)が負うことを恐れます。

これが面白いところです。

「今」がダメな原因や責任の所在、満たされない原因はどこにあるのだろう。

決して自分(私)ではない。

過去の体験にあるのかもしれない。

幼いころに体験させられてトラウマに原因がある。

あの人に原因がある。

あるいは幼いころの環境に原因がある等々。

それが見つからない場合には、生まれた時の体験バーストラウマにある。

それでも自我(エゴ)が納得できなければ、もっとさらなる過去に向かわせます。

前世や過去生にまで原因を求めます。

とにかく何でもいいので、自我(エゴ)に責任が及ばない原因を見つけ出せば安心します。

 

20世紀最大の覚者といわれる、ラマナ・マハリシは、「私は誰か」を問いなさいと、

訪ねて来る人達に生涯語り続けていました。

私は誰なのか?

自我(エゴ)についてです。

特に西洋人は、言葉を大事にしていますから、言葉のない世界「今ここ」をなかなか理解できなかったようです。

来る人来る人に「私は誰か」と問い続けていました。

 

そしてラマナ・マハリシは次のように言っています。

「無知が存在するかぎり輪廻転生は存在する。今現在もそしてこれからも」

輪廻転生は「今ここ」にはありません。

輪廻転生で満足するのは結局のところ自我(エゴ)だけということになります。

もし、持ち運べるものがあるとしたのなら、自我・私(エゴ)のない存在であるエネルギーとでも言えるのでしょうか。

私のない存在なんて自我(エゴ)は絶対に許せません。

 

さらに自我(エゴ)は私が特別であることを好みます。

「あなたは特別な存在です」

などと言われたりすると自我(エゴ)は大喜びします。

その幻の世界に入っていき現実に浸ります。

もちろん今にいることができませんから過去の栄光や恐れのない未来を好みます。

予言や占いなども大好きです。

自我(エゴ)が傷つくことのない特別な未来を示されると安心します。

 

すべて解釈によってつくられた「幻想」、まぼろしの世界、頭の中にしか存在しない世界です。

 

これを映画に例えることもできます。

私たちは、自我(エゴ)の作った映画をいつも見させられています。

自我(エゴ)は、この映画の監督であり、脚本も書いて、キャストも選び、映画の主演も務めています。

そして、そこに登場しているキャストの一人一人はすべて脇役であり、自我(エゴ)がつくりあげたキャラクターです。

登場するひとりひとりがどのような人物なのか設定をして、人だけではなく動物や植物、物までもすべてに意味をつけています。

世の中で起こっているすべての出来事にも意味づけをして、世界に一つしかないスペシャル映画をつくり、毎日毎日、瞬間瞬間上映をして見ています。

 

これが心・マインド、思考のつくった物語です!

すべてが夢物語といえます。

 

そして、左脳を中心とした脳の活動状態となります。

左脳が思考活動を司っていますが、思考には、

・「意識の思考」
・「無意識の思考」

があります。

意識の思考は必要の都度、フォルダーから引っ張り出して使うようにします。

仕事で使ったり、あるいは様々な活動に意図して使います。

計画したり、クリエイティブなことに使ったり、楽しみのために使ったり、そして終わったら元の思考のフォルダーに戻すようにします。

それ以外はすべて無意識の思考であり、脳がいちばんエネルギーを消費しますから、気づいたら離れるようにすることが望ましいわけです。

 

一方の右脳には「言葉」がありませんし、ただ感じるだけになります。

そして分離がなく宇宙との一体感があるだけです。

 

健康スタジオ横浜では、気・プラーナといったエネルギーを使ったトレーニングの方法を皆様に提供をしていますが、脳の状態によって、気・プラーナを認識したり、コントロールする練習を行っています。

様々な方がいらっしゃいますが、一般的に身体が健康であっても、気・プラーナを明確に認識できないタイプに共通していることがあります。

・左脳が休まらない人
・自我(エゴ)意識が強い人

このような方は、常に左脳の言語中枢が働いており、大脳新皮質がフル回転しています。

この脳のフル回転によってエネルギーが漏れた状態となっていますので、気・プラーナを感じることが難しくなっています。

そして、大脳新皮質が常に働いているために、その下にある、大脳辺縁系の哺乳類脳、脳幹にある爬虫類脳が抑圧されています。

実は気・プラーナを感じ認識するためには、大脳新皮質を休ませて、いちばん下にある脳幹の爬虫類脳を目覚めさせる必要があります。

 

さらに別の角度からお話をいたしましょう。

自我(エゴ)による思考のエネルギーは強力で、身体の周囲に独特のエネルギーフィールド、バリアのような囲いをつくり出し、宇宙(エネルギー)との間に壁が出来て分離が生まれます。

生まれたばかりの赤ちゃんや幼い子供は、このバリアがないか、あってもかなり薄く、宇宙(エネルギー)と一体化しているため、子供はものすごく元気なわけです。

 

親から言葉を習い、学校や社会とのかかわりの中で知識を修得し、受験を通してバリバリに自我(エゴ)を育てていきます。

これはこれでこの年代には必要であり、その後に社会に出ていくためには、自我(エゴ)を強固なものにして大人になっていく必要があります。

この時点で分厚く強固なバリア・壁ができているため、宇宙(エネルギー)との一体化からは程遠い存在となっています。

 

そもそも教育は知識の習得や頭の体操的な意味もありますが、自我(エゴ)を強化させるためのシステムですから、そのまま社会人になっても、そのシステムを使い続けていくと、いつまでも満たされなさのない状態にはなりません。

自ら問題をつくり出し、そして問題解決のために多くの時間を割く、気づきが得られない限り、そのような人生が生涯続いていくことになります。

殆どの人がこのシステムの存在に気づかずに人生を送っています。

そして、この問題解決を結構愉しんでいる方が世の中には多くおられるようです。

 

気づいた人だけが別の人生に舵を取をとることになります。

実はこれがアセンションと呼ばれているものです。

ではどう舵を切り替えたら良いのでしょうか?

一つはこのようなシステムのなかで生きてきたことに気づくことです。

気づいたら勘違いだったということに納得することです。

そのためには、最初は知識、情報レベルでよいのでインプットし続ける必要があります。

 

次に行動レベルに落とし込んでいくことになります。

今までにまとってしまった分厚いバリア・壁に気づき、少しづつ1枚1枚取り外す作業が始まります。

ヨーガにしろ、気功・仙道にしろ、この壁やバリアを外して、宇宙との一体化を図るために修行、トレーニングをしているわけです。

 

かなり長い内容となりましたがいかがだったでしょうか。

難しい内容だったかもしれません。

何回も何回も繰り返してお読みいただけたら幸いです。

 

有名な映画『マトリックス』をご覧になったことがありますか?

まさにこの映画は、今回説明をした内容を描いた映画です。

是非一度ご覧になっていただきたいと思います。

 

健康スタジオ横浜では昨年から「マインドフルネスエナジー瞑想」の教室を開催しています。

マインドフルネスの目的は次のとおりです。

「今、この瞬間の思考・感情・感覚に価値判断を入れることなく、あるがままに気づくことで、思考・感情・感覚と自分自身を切り離し、心の自由と平安を図る」

 

これに、気・プラーナといったエネルギーの感覚を取り入れると、新しいマインドフルネス、マインドフルネスエナジー瞑想となります。

この練習で「今ここ」に気づくと、気・プラーナをしっかりと感じることが出来るようになります。

実は気・プラーナを認識するためには、脳が静寂な状態になり、瞑想状態にならないと気・プラーナをありありと感じることができません。

マインドフルネスエナジー瞑想の詳細はこちらよりご覧になってください。

 

とにかく心・マインドの取扱いは大変重要です。

現代の病気や体調不良の半分以上は、心・マインドが作り出していると言ってもいいと思います。

それほど、自我(エゴ)による解釈がつくりだす世界は身体に影響を与えます。

これが難しいのは、ポジティブな解釈よりも圧倒的にネガティブな解釈が多いということです。

 

「今ここ」にくつろぐためにも、普段から頭の中の言葉、状態に気づきくことから始めてみませんか。