睡眠負債に要注意!寝苦しい夏こそ睡眠の質を高めよう!
●睡眠負債に要注意!寝苦しい夏こそ睡眠の質を高めよう!
健康スタジオ横浜の内藤です。
本日もご訪問くださりありがとうございます。
睡眠不足については皆さんご存知かと思いますが、「睡眠負債」はご存知でしょうか?
睡眠不足になると眠気や倦怠感、頭痛などを引き起こします。
寝不足が慢性化すると「睡眠負債」が起こり、身体的な不調や精神的な不調の大きな原因となります。
さらに、健康に及ぼす悪影響や病気のリスクなども高まってきます。
今回は、睡眠不足にならない、睡眠負債に陥らないためのポイントをご紹介いたします。
そもそも睡眠不足ってどんな状態なのでしょうか?
睡眠不足は「寝不足」とも呼ばれ、睡眠時間が十分ではなく、日中に眠気や倦怠感、頭痛などが起こる状態のことをいいます。
厚生労働省が発表した「令和元年 国民健康・栄養調査の結果」によると、男性の37.5%、女性では40.6%の人が1日の平均睡眠時間が6時間未満という結果が出ています。
その中でも、女性の40~50代では4割を超える人が睡眠時間が6時間未満ということがわかっています。
・「睡眠全体の質に満足できなかった」人は男性が21.6%、女性が22.0%。
・「日中、眠気を感じた」人は男性が32.3%、女性が36.9%。
十分な睡眠が取れていない人や、睡眠に対して不満を持っている人は少なくありません。
睡眠には「疲労回復」「記憶の整理」「傷ついた細胞の修復や体の成長を促す」という大切な役割があり、不足するとさまざまな問題が生じてきます。
さらに認知症の予防につながるといった研究もあります。
睡眠不足が続くと「睡眠負債」が起こります。
「睡眠負債」とは、日々の寝不足が借金のように積み重なった状態のことをいいます。
毎日1~2時間ほどのほんの少しの睡眠不足がじわじわ積み重なっていくと、慢性的な睡眠不足となり、身体的な不調や精神的な不調が現れるようになります。
睡眠負債は、長期間続くほど心身に大きな影響を及ぼすため注意が必要です。
続いた期間によってさまざまな症状が出てまいります。
・数週間続いた場合……自律神経が乱れ、高血圧や不整脈につながる
・数か月続いた場合……ホルモンバランスが乱れ、肥満や脂質異常、糖尿病につながる
・数年続いた場合……精神神経系の異常につながり、抑うつ状態を引き起こしやすくなる
・15年ほど続いた場合……脳内の老廃物といわれるアミロイドβなどが除去されにくくなり、認知機能の低下、アルツハイマー病を引き起こしやすくなる
睡眠負債の前に睡眠不足の状態が続くのですが、眠気や倦怠感、頭痛など以外にも様々なサインが見られることがありますのでチェックしてみてください。
睡眠不足だとは思わずに生活を続けている人が日本人には結構おられるようです。
【睡眠不足のサイン・症状】
■氷や飴などをガリガリ噛む
寝不足になるとセロトニンが低下し、気分が不安定になりやすくなります。
噛むというリズム運動はセロトニンの分泌を促す効果があり、心のバランスを取るためや目を覚ますためなど、寝不足の症状をカバーするために無意識に氷や飴などをガリガリ噛んでしまう人もいます。
■イライラする、怒りっぽくなる(キレやすい)
睡眠不足になると、些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりします。いわゆる「キレやすい」という状態です。
睡眠不足によって交感神経が優位になると、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンには攻撃性を増す作用もあるため、イライラしやすくなるのです。
■倦怠感
睡眠不足になって睡眠リズムが崩れると、メラトニンが減少して睡眠が浅くなり、なかなか寝付けないなどの症状が現れます。
すると、ホルモン分泌や体温調節がうまくいかなくなり、疲労が十分に回復せず、倦怠感となって現れるようになります。
■頭痛
睡眠不足になると、脳の酸素欠乏状態が続き、頭の血管の収縮や筋肉が過剰に緊張することで、頭痛が引き起こされます。
■集中力や注意力が低下する
寝不足になると、脳が十分に働くことができなくなり、集中力や注意力、判断力、記憶力などの低下が起こります。
寝不足は、勉強や仕事での思わぬミスや事故につながる可能性も。また、意欲低下が見られることもあるようです。
■血圧が上がる
睡眠不足によって交感神経が優位になるとアドレナリンが分泌されますが、アドレナリンには血圧を上昇させる作用があります。
寝不足が続くと、アドレナリンなどのホルモンの影響によって、夜も血圧が高くなる可能性があるでしょう。血圧が高い状態が続くと、循環器系疾患のリスクが高まります。
■ストレスが増える
睡眠中は、脳内にたまった情報の整理も行います。そのため、蓄積されたストレスも睡眠によって減少する仕組みです。しかし、睡眠不足になると、情報整理が十分行われなくなり、ストレスがたまったままになってしまいます。
また、睡眠不足が続くこと自体もストレスになります。ストレスの増加によって、睡眠障害を引き起こしてしまうこともあるため、注意が必要です。
■睡眠障害
睡眠障害とは、睡眠に関連する多種多様な病気の総称です。睡眠不足症候群、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害、特発性過眠症、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな疾患があります。
たとえば睡眠不足症候群は、慢性的な睡眠不足によって、日中に過眠(日中、目覚めていられないような病的な眠気)が起こる状態を指します。
睡眠不足症候群の人は、平日は3~4時間睡眠、週末に10時間以上眠るなどの生活を繰り返している人が多いです。
睡眠不足になると、このような睡眠障害を引き起こしやすくなるため注意しましょう。
【睡眠不足が与える影響やリスク】
■免疫力の低下
ウイルスや細菌に対する免疫力は、睡眠中に維持や強化が行われます。
そのため、睡眠不足は免疫力の低下を引き起こします。
睡眠時間が5時間未満の人は、8時間睡眠の人と比較すると、風邪をこじらせて肺炎になるリスクが1.4倍ともいわれており、健康に悪い影響があります。
■生活習慣病やさまざまな病気のリスク上昇
睡眠は、生活習慣病とも深い関係があることが知られています。
質の悪い睡眠は、高血圧、糖尿病や狭心症、心筋梗塞、脂質異常症などの生活習慣病にかかるリスクを高める原因となります。
その他、うつ病や認知症などのリスクを高める要因にもなります。
■肥満につながる
睡眠不足になると、グレリン(食欲を刺激するホルモン)の分泌量が増加し、レプチン(満腹感を与えるホルモン)の分泌量が減少します。
食事をしてもなかなか満腹感を得られなくなることで、食べ過ぎてしまいやすくなり、肥満につながります。
そして、肥満になると、生活習慣病のリスクが高まります。
■体臭が強くなる
睡眠不足や偏った食生活などの不規則な生活は、皮脂の過剰分泌につながり、体臭が出やすくなります。
また、生活習慣が乱れると汗に悪臭の原因になるアンモニアや乳酸などが高濃度で含まれるようになり、体臭が強くなることもあるようです。
寝不足になるとストレスも増加しますが、ストレスも体臭をきつくする原因です。体臭が気になってきたという人は、睡眠不足を改善することで症状が緩和される可能性もあります。
■短い睡眠時間は経済損失にもつながる
睡眠が大切だとはわかっていても忙しく、睡眠時間が短くなっている人も少なくないようです。
しかし、睡眠不足になると、集中力や注意力、判断力、記憶力などが低下します。
アメリカのシンクタンク「ランド研究所」の調査研究によれば、日本人の睡眠不足を原因とした国家レベルの経済的損失は約15兆円ともいわれており、調査対象となった国のうちでも最大とも言われています。
短い睡眠時間は個人だけではなく、国の経済にも影響を与えています。
何にも増して重要なのが「睡眠」であることがおわかりかと思います。
気・エネルギーを損なう最大の原因が、寝不足や睡眠不足になります。
気・エネルギーを損なうので健康上の問題が噴出しやすくなります。
暑く寝苦しい季節ですが、良質の睡眠がとれるように、日中の過ごし方から仕込みを行ってまいりましょう。
日中の過ごし方によって、寝つきの良さや、睡眠の質が変わってまいります。
教室で行っているのは、身体を動かして1日のリズムを調え、呼吸を通して自律神経の働きを調えます。
夜心地よい睡眠に到達するためには、朝起きた時からの仕込みが必要なのはそのためです。
そして、子供のような睡眠を目指しましょう。
子供の睡眠は、自我が完全に薄れて、宇宙と一体となっているために、すみやかに気・エネルギーの補充が行われるので元気そのものです。
出来るだけ地球のリズムに則った生活を心掛けましょう。
寝苦しくなる夏こそ睡眠の質を高めて夏を元気に過ごすためにご参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございます。