自然に立つための身体との対話!
● 自然に立つための身体との対話!
小学校からの立ち方の基本と言えば「気をつけ」の姿勢を思い出す人も多いでしょう。
学校教育というものは、時にわけのわからないものを踏襲しており、いったい何に
気をつける姿勢なのでしょうか?
これは身体に余分の緊張を強いる立ち姿勢です。
膝裏は伸びて「棒立ち」になり、腰を反らせ、胸を張り、尻を突き出し、肩が上がる。
これではゆったりと呼吸をすることも出来ず、気は上がるばかりになります。
東洋の気功、仙道、太極拳などの立位で要求される立ち姿勢は、これをすべてひっく
り返せば良いのです。
膝は楽に曲げて、胸を張らずに、腰をゆるめ、尻を引っ込め、肩の力を抜いて沈める。
こうすると楽に、ずっしりと下に重心を落として立つことが出来るようになります。
しかし、日常生活で経験したことのない姿勢なので、身につくまでは多少の苦労をすることは覚悟をしないと、力を抜いて立つ心地よさや醍醐味を知らずに終えてしまうことになります。
【自然な立ち方のチェックポイント17】
これが基本の中の基本!であり、この姿勢をつくることが身体の内側に意識を向ける
トレーニングとなります。
対人的にチェックをしてもらうか鏡に映して確認をすることが必要です。
1.足を肩幅に開く
きっちりと厳密ではないが、足の小指の線がおおむね肩幅に等しい。
開き方はセミナーで実際に行うので覚えること。
2.両足先は平行にする
無意識に立つとたいていの人は逆八の字に開いて立つので意識して平行かやや内また
にする。足の内側には、腎、肝、脾の陰経が走っている。
外側には胃、胆、膀胱の陽経があり、足が極端に開いたり閉じたりすると、どちらかを刺激して陰陽のバランスが崩れるので、まっすぐにして中立にする。
膝や腰にある程度内側に寄る力が働いていないと安定した立ち方が出来ない。
3.体重は均等にする
体重は、母指球、小指球、踵の3か所を意識し、足裏の感覚を持って左右均等に立つ
ようにする。
疲れていると足の外側・小指側に体重がかあkりやすいので注意する。
体重が外に逃げてしまうと膝の内向が難しくなる。
このままで昇降を繰り返すと、呼吸に合わせて体重移動が起こる。
息を吸うときにわずかに後ろに重心が動き、吐くときに前にわずかに動く。
数センチの移動であっても内部感覚は大きい。
4.膝はゆるめる
膝裏が伸びているだけでも気は落ちにくくなる。曲がっているようで曲がっていない。これは後の骨盤の動きに連動している。
5.膝の内向
内向とは寄ること。膝はただゆるむだけでなく、内側に回転するような動きになる。
あまり寄り方が大きすぎて内股になってはいけない。綿の球がはさまっているというイメージである。
開きすごいると無力になって球は落ちてしまうし、はさむ力が強すぎるとつぶれてしまう。この感覚は下半身をずっしりと安定させるうえで要となるポイントとなる。
6.股関節の内向
膝が内に巻き込むように寄ると同時に、股関節がやはり巻くように内に入る。
骨盤全体が周囲から中心に向かって収縮するような感覚が丹田に生じる。
7.尻を出さない(命門を開く)
尾骨は普通の時は少し後ろに反っている。腰の緊張をといてゆるめ、反っているのをまっすぐ(命門を開く)、あるいは背中と腰が幾分ふくらむくらいにすると、尾骨はほぼまっすぐに下を向く。
骨盤を巻き上げるようにすると肛門括約筋がやや締まり、お腹が少し引いて「おへそが斜め上を向く」かたちになる。
8.提肛
さらに「肛門を引き上げる」ということをする。
腹圧が高まって内臓と脳への刺激が増し、督脈と任脈がしっかりつながって気の流れが良くなる。
9.背骨を立ち上げる
背骨をまっすぐにするというと、肩の力で引き上げてしまいがちだが、それでは気が上がってしまい、背中も腰もゆるまない。
命門のあたりを中心に、上下に引き合う力を感じるようにする。
腰から尾骨に向かっておもりが下がっていて、その重さの影響で背骨がピンと伸びていくようにイメージすると、リラックスしたままで背骨を真っすぐにすることができる。このときに上下に引き合う力は「下に7割、上に3割」である。
10.含胸抜背(がんきょうばっぱい)
「胸を張らない」ということである。胸を含むとは、胸を風船のように外側に張り出さずに、イメージのうえでは風船を内側にすぼめるように胸を柔らかく保つことです。決して猫背のようにはならないことです。
背骨はまっすぐのまま首のつけ根の大椎をななめ後ろ上方に少し引っ張るようにイメ
ージする。
アゴを床と平行にするようにして後ろに引くようにすると、後頭骨が上に引っ張られて背骨が伸びてくる。
思い頭をどの位置に置いておくか? ぶれないようにすること。
11.沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)
肩をそびやかしていかり肩のように緊張することは、最も避けなければならないことの一つと言われている。
ただ自然に立ったままの「沈肩」はそれほど難しいことではないが、ひとたび手を動かしたときに肩が緊張せずに「沈肩」を維持できるか確認してみる。
①たとえば手を前に伸ばしてみて肩が上がった状態
②見た目には上がっていないが少しまだ緊張している状態
③すっかり緩んで「沈」がオーバーになって押し付けている状態
肩と肘と手首を「三関(さんかん)」といい、手に気がうまく流れるのを邪魔をする「三つの関所」と言われている。
12.立身中正
身体をまっすぐにして偏らず正しく立つということである。背骨が歪んでいるとそれは正しい立ち方とは言えず、左右にも前後にも偏らない難しい姿勢である。
中正の練習は、脊椎を前後左右にゆらしてみることで歪みを調整するやりかたである。
①左右に揺らしてみる。右肩から下にとろけるように緩んでいって、右腰が温まり、
少し身体が右に傾くようにする。さらに背骨の右サイドに意識を向けて、各チャク
ラの横を揺するようにする。次に同じように左も同じようにする。
②前後の場合は、腹筋や背筋を使い過ぎると緊張しやすくなるので、前にいくときに
顎が前に出て、後ろにいくときに顎を引くようにし、顎を上げて上を見るようにし
ながら揺する。慣れてきたら背骨の前後と各チャクラを意識して揺するようにする。
13.眼は「平視」するが目を閉じてする練習もある
「平視」とは、まっすぐに見ているがどこにも焦点を合わさず、視野を広くとっているということである。まさに平行法の視線であり、武術的な訓練としては不可欠である。
気のトレーニングは武術ではないので、眼をつむってみても一向に差し支えはない。
しかし、眼をつむっているときにも「平視」の眼球の位置、意識を心がけることが肝要である。
よく眼をつむって眉間に縦シワをつくっている人を見受けられるが、眉間から脳へ緊張が走り、松果体へのエネルギーの流れが滞るので注意が必要である。
気を「開合」や「昇降」で練る場合も同様で、眼球の位置「平視」はとても重要なポイントのひとつである。
眼を閉じてしまうと意念が活発になる場合は、ほとんど眼をつむって少しだけ光が入る「半眼」の状態を試してみる。
14.脇を虚にする
ここからは腕の確認に入ります。
腕は余分な力を抜いて自然に垂らし、手は腸骨の下、腿の両側にある。
腕を垂らしているといっても、腕が脇にぴったりと貼りついてはいけない。
脇の下に卵1個はさんでいるスペースを開ける。なぜ卵かというと、強くはさめば潰れてしまうし、弱すぎれば落ちて割れてしまう。
垂れている腕は、かすかに外に張る力が働いて、直線ではなく僅かに外に丸くなっている。
15.手首をやわらかく
沈肩墜肘で肩と肘がうまく動いても、もうひとつの関所が越えられないと掌に気が届きづらい。
手首を前後、左右、回転で振ってほぐしていく。また手首のストレッチで可動域を高めておくことも柔らかく動くもとになる。手首を軽視すると気の流れ自体が固くなるので末端の脱力も必要なポイントである。
16.指がこわばらない。
指は自然に拡げて、わずかに曲がって、掌の中央の労宮がやや凹み、薬指、小指のほうにいくほど僅かずつ曲がりが大きくなって螺旋階段のようになっている。
指を開く、指のまた裂き、指の八の字気功などで指の可動域を拡げておく。
17.立ったままの深いリラックス
今まで行ってきたところで、「調身、調息、調心」を心がける。
調身は今までの身体の確認。調息は無理な呼吸法を入れるとかえって緊張するので自然呼吸にする。
調心は立った状態でのリラクセーションで緩ませる。
頭の上からシャワーを浴びたようなイメージで、前後、左右に意識を向けて緩ませる。
