認知症の予防は睡眠がカギ 「健康スタジオ横浜1月の健康情報」

認知症の予防は睡眠がカギ 「健康スタジオ横浜1月の健康情報」

近年、睡眠不足が蓄積する「睡眠負債」に注目が集まっています。

睡眠負債は、生活の質や仕事のパフォーマンスを低下させるだけでなく、様々な病気のリスクを高めることが知られています。

特に、アルツハイマー病との関連性があることがわかりました。

 

◆アルツハイマー病の原因

認知症の6割から7割を占めるとされているアルツハイマー病は、異常なタンパク質であるアミロイドβが、約20年間にわたり徐々に脳内に蓄積することが原因の1つとして考えられています。

アミロイドβが蓄積することで海馬が萎縮し、脳の神経細胞が死滅していくことで、記憶障害や見当識障害等の症状が現れます。

進行を抑える目的の薬はありますが、根本的に治す薬は現時点ではありません。

よって、死滅した脳細胞は元に戻らず治療が困難なため、予防が重要とされています。

軽度認知障害(MCI)の段階では、運動療法(筋トレ療法)を行うことで、かなりの確率で回復することが確認されています。

また予防にもなることがわかっています。

 

◆睡眠不足はアルツハイマー症のリスクを高める

アミロイドβは、脳が活性化することで作られるため、完全にゼロにすることはできません。

つまり、排出されるしかありません。

実は、アミロイドと呼ばれる老廃物の一種は、脳以外の全身でも作られているのですが、それらはリンパが張り巡らされていることによって除去されています。

脳の場合はと言うと、近年の研究により、寝ている間にアミロイドβなどの老廃物を排出していることがわかってきました。

寝ている間に脳が縮んで隙間ができることにより、老廃物が脳脊髄液にしみ出して排出されるのです。

つまり、脳は日々寝ている間に、老廃物を排出して大掃除をしているのです。

睡眠時間を十分に確保することは、脳の老廃物であるアミロイドβを排出し、アルツハイマーの発症を予防するためにとても大切だといえます。

反対に睡眠不足になると、アミロイドβの排出が十分に行われず蓄積し、結果としてアルツハイマー型認知症になるリスクが高まってしまいます。

 

良い睡眠をとるための6つの行動

1.朝起きたら太陽の光を浴びる

カーテンを開けて朝日を浴びましょう。

2.昼夜の生活にメリハリをつける

昼間は体を動かし夜は休みます。

昼間から体を休めていたら夜は眠れません。

3.寝る1時間前までに入浴を済ませる

寝る直前の入浴は交感神経を高ぶらせ眠れなくなります。

4.寝る前のパソコン、スマートフォンの使用は避ける

これも言うに及ばすです。

5.寝る部屋の環境を整える

部屋は暗くして、静かで、暑すぎない寒すぎない温度の環境です。

6.寝なければいけないと意識しすぎない

寝ることにこだわりすぎると緊張して眠れません。

 

自然に眠くなるような生活を心がけましょう。

昼間の過ごし方が影響します。

クタクタに疲れているとあっという間に眠れます。